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論文

J-PARC RCSビームロスモニタの高圧依存性の測定

畠山 衆一郎; 吉本 政弘; 山本 風海

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.475 - 477, 2020/09

J-PARCの加速器は、線形加速器(LINAC),3GeVシンクロトロン(RCS),主リングシンクロトロン(MR)で構成されている。RCSは、物質生命科学実験施設(MLF)にビームを供給するとともに、MRにもビームを輸送している重要な施設である。RCSでは87台の比例計数管型のロスモニタ(PBLM)が加速リング及びビーム輸送ライン上に設置されており、加速サイクル中のビームロスの積分値が閾値を超えると機器保護システム(MPS)が発報し、ビーム運転を停止することでビームラインの放射化を防いでいる。本発表ではPBLMに-1000Vから-2000Vの高電圧を印加し出力応答をビームを用いて測定した。結果としてビームロスの大きい場所では、-1400から-2000V付近でピーク値が飽和しているが積分値は飽和していいないことが分かった。また現在のPBLMの高電圧システムの問題点を解決するための新しいシステムの検討を述べる。

論文

JAEA-ADSのLinac加速器における誤差解析

Yee-Rendon, B.; 田村 潤; 近藤 恭弘; 前川 藤夫; 明午 伸一郎; 小栗 英知

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.33 - 37, 2020/09

日本原子力研究開発機構で検討を進めている加速器駆動システム(ADS)は、運動エネルギー1.5GeVとなる連続的(CW)な陽子ビーム(電流20mA)を加速するLinacを用いる。このLinacでは、高い加速効率をもつ超伝導空洞によりビームが加速され、空洞は半波共振器(Half Wave resonator)、スポーク共振器(Spokes resonator)、および楕円形空洞(Elliptical cavity)などによる5つの群で構成される。30MWとなる大強度ビームを用いるADSでは、ビームロスが重大な機器の放射化を引き起こす可能性があるので、安定したビーム動作と高い信頼性を有する堅牢なビーム光学系が必要となる。ビーム損失率は、Linacの各構成要素における不整合や電磁場の誤差により生じる。このため、本研究では各構成要素の誤差に対するビームロスを検討した。本研究では、またビームロス低減のため、許容誤差を推定しその補正法に関し検討した。

論文

J-PARCにおけるレーザー荷電変換実験に向けたレーザー開発状況

原田 寛之; Saha, P. K.; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 渕 葵*; 佐藤 篤*; 柴田 崇統*; 金正 倫計

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.441 - 445, 2020/09

大強度陽子加速器では、線形加速器で加速された負水素イオンの2つの電子を円形加速器の入射点に設置された荷電変換用炭素膜にて剥ぎ取り、陽子へと変換しながら多周回にわたり入射することで、大強度陽子ビームを形成している。この入射手法は、大強度の陽子ビームを生成できる反面、周回する陽子ビームが膜への衝突を繰り返すため、膜の短寿命化や膜での散乱によるビーム損失が大強度ゆえに課題となっている。そのため、さらなる大強度出力を目指すには、炭素膜を用いた衝突型の荷電変換入射に代わる非衝突型の新たな入射手法が必要となる。本研究では、レーザーにて電子剥離を行う「レーザー荷電変換入射」を新たに提案し、J-PARCにおける原理実証実験を計画しており、その実験に向けたレーザーシステム開発を進めている。本発表では、レーザー荷電変換入射の概要を紹介し、レーザーシステムの開発状況を報告する。

論文

J-PARC RCSにおけるビーム電流モニタのビーム強度依存性

林 直樹

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.478 - 481, 2020/09

ビーム強度,ビーム電流の測定は、加速器の中で、最も重要なビーム診断系の一つである。J-PARC Rapid-Cycling Synchrotron (RCS)では、二つのビーム強度モニタの他、帯域の異なる複数のCurrent Transformer (CT)を備えている。RCSは、定格で、1MWのビームパワーを出す大強度加速器であり、近年、ユーザーへの供給するビームパワーも上昇し、パルス当たり定格での運転も、短時間ながら行われてきた。また、パルス当たりで、1MW相当以上の試験運転も試みられている。初期設計の性能達成、そしてそれを超える運転を通じ、改めて、ビーム電流測定の強度依存性について現状を整理して報告する。

論文

Status of the proof-of-principle demonstration of 400 MeV H$$^{-}$$ laser stripping at J-PARC

Saha, P. K.; 原田 寛之; 米田 仁紀*; 道根 百合奈*; 渕 葵*; 佐藤 篤*; 柴田 崇統*; 金正 倫計

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.436 - 440, 2020/09

A proof-of-principle (POP) demonstration of 400 MeV H$$^{-}$$ stripping to proton by using only laser is under preparation at J-PARC. We aim to establish a non-destructive H$$^{-}$$ charge-exchange injection by using lasers instead of stripper foil used for that purpose. A short foil lifetime, unexpected failure and also high residual radiation due to foil scattering beam losses are serious issues for high-intensity operation. In our three steps method, the H$$^{-}$$ is first neutralized to H$$^{0}$$ by using an YAG laser, the H$$^{0}$$ is excited to the upper states (H$$^{0*}$$) by using a UV laser, and finally the H$$^{0*}$$ is stripped to proton by the YAG laser. The YAG laser system will be tested first for 3 MeV H$$^{-}$$ neutralization at the end of 2020, while the UV laser is under development. The H$$^{-}$$ beam manipulations to match with laser parameters are also being continued. The present experimental status for the POP demonstration of H$$^{-}$$ laser stripping is presented.

論文

畳み込みニューラルネットワークによる画像認識技術のマウンテンプロット画像への適用

野村 昌弘; 田村 文彦; 島田 太平; 山本 昌亘; 古澤 将司*; 杉山 泰之*; 原 圭吾*; 長谷川 豪志*; 大森 千広*; 吉井 正人*

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.64 - 67, 2020/09

畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network:CNN)よる画像認識は、幅広い分野で用いられ、優れた結果を残している。この画像認識の技術を上手く利用すれば、人が画像から得る情報と同等かそれ以上の情報を画像から得ることができるはずである。J-PARCではマウンテンプロットと呼ばれる画像から、専門知識を持った研究者が機器の調整に必要な情報を得ている。本研究では、CNNによる画像認識の技術をこのマウンテンプロットに適用し、調整等に必要なビームに関する情報を求めてみた。その結果、画像認識技術を活用することにより、より多くの情報が得られることが分かった。今後は、実際に画像認識により求めた情報を元に機器の調整を行い、その有効性を確かめていく予定である。

論文

原子力機構-東海タンデム加速器の現状

松田 誠; 石崎 暢洋; 田山 豪一; 株本 裕史; 中村 暢彦; 沓掛 健一; 乙川 義憲; 遊津 拓洋; 松井 泰; 阿部 信市; et al.

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.948 - 952, 2020/09

原子力機構-東海タンデム加速器は最高加速電圧が約18MVの大型静電加速器であり、核物理,核化学,原子物理,材料照射などの分野に利用されている。2019年度の利用運転日数は118日であり、主として核物理実験に利用された。最高加速電圧は16.2MVであった。加速電圧が上がらない原因は、高電圧端子内の発電機を駆動するための絶縁シャフトが放電により放電痕ができ破損するなど絶縁性能が劣化したためであった。2019年度はSF$$_{6}$$高圧ガス施設において貯槽の開放検査実施のため7月から約3ヵ月をの施設検査に充てることになり、7月から5か月の長期の運転停止(定期整備)となった。2020年度も同様の検査のため長期の整備となる予定である。発表では加速器の運転・整備状況およびビーム利用開発等について報告する。

論文

加速器におけるMTCA普及に向けて

田村 文彦; 吉井 正人*; 上窪田 紀彦*; 高橋 博樹

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.68 - 72, 2020/09

MTCA(マイクロTCA)は加速器における高度な制御の次世代プラットフォームとして期待されている。現在広く用いられているVMEよりも高速、大容量のデータ転送が可能なバックプレーンや、用途に応じた各種モジュールがホットスワップ可能であることによる高い保守性を誇る点などが、MTCAの利点として挙げられる。高エネルギー加速器研究機構の加速器において低電力高周波(ローレベルRF)制御への適用がなされたのちに、世界の多くの加速器においてMTCAは採用されるようになった。日本国内の加速器でのMTCAの広がりには時間を要しているのが実情であるが、最近になりJ-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)のローレベルRF制御などの大規模な採用事例も増えてきた。本発表では、J-PARC RCSでのローレベルRFでの適用を中心としたMTCAの採用事例を報告し、また、今後のMTCA普及のための取り組みについて報告を行う。

論文

J-PARC 3GeVシンクロトロン1MW運転状況

山本 風海; 山本 昌亘; 山崎 良雄; 野村 昌弘; 菅沼 和明; 藤来 洸裕; 神谷 潤一郎; 畠山 衆一郎; 發知 英明; 吉本 政弘; et al.

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.209 - 213, 2020/09

J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は物質生命科学実験施設および主リングに最大1MW相当のビームを供給する目的で建設された。J-PARCでは運転開始よりビーム調整と機器の改良を進めており、供用運転として段階的にビーム出力を増加しながら、設計最大出力である1MWの連続運転試験を断続的に行ってきた。これまで実施してきた1MW連続運転試験の結果から、RCSはビームを精度よくコントロールしており、ビーム損失は連続運転の妨げとならないことが確認できた。しかし一方で、ビームを加速する高周波空胴に余裕が無いため、引き続き増強を進める必要があることが判明した。また、2020年6月以降の気温と湿度が高い条件下では、冷却水の供給温度が上がり、機器の冷却が十分にできず運転できないことも判明した。今後は、これらの問題点の改善を進める。

論文

縦方向計算コードBLonDのJ-PARC RCSへの適用に向けたベンチマーク

沖田 英史; 田村 文彦; 山本 昌亘; 野村 昌弘; 島田 太平; 吉井 正人*; 大森 千広*; 杉山 泰之*; 長谷川 豪志*; 原 圭吾*; et al.

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.674 - 678, 2020/09

近年、CERNが開発を進めている縦方向シミュレーションコードBLonD (Beam Longitudinal Dynamics)は世界の加速器で利用が進んできている。BLonDは主な部分がPythonで書かれているため可読性,汎用性が高いコードで、空胴に発生するウェーク電圧や縦方向の空間電荷力を考慮したシミュレーションが可能である。現在、J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)の更なる加速技術、運転安定性の向上について検討するツールとして、BLonDの導入とベンチマークを進めている。BLonDを用いて現行の1MW運転パラメータを反映した縦方向シミュレーションを行い、縦方向のビームの電荷分布を表すバンチングファクターを計算した結果は測定値をよく再現しており、RCSの縦方向ビームシミュレーションにBLonDが有効であることを確認した。本発表ではその詳細について報告する。

論文

大強度陽子ビーム用縦方向分布モニター応答特性評価

北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.251 - 253, 2020/09

大強度・低エミッタンスな陽子ビーム加速を実現するため、空間電荷効果の影響が大きい低エネルギー領域での縦方向分布モニター(バンチシェイプモニター: BSM)の運用試験を進めている。BSM内部でビームを受ける二次電子生成標的に熱負荷耐性の良い高配向性グラファイト(HOPG)を導入したことで、既存のタングステン製標的で問題となっていた標的破損による計測中断が無くなり、安定した計測が可能となった。しかしHOPGを導入したBSMで初めて測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションによる予想より広がっており、改善の余地がある。J-PARCリニアック棟テストスタンドのビームを利用して、BSMの応答特性を調査した。この試験ではBSMを構成する電子増倍管,偏向電磁石及びRFデフレクタの各パラメータの応答特性を調査・調整した。調整後に測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションの予想分布と一致した。

論文

J-PARC MRにおける横方向ビーム不安定性の抵抗性壁効果の影響の調査

小林 愛音*; 外山 毅*; 菖蒲田 義博; 中村 剛*; 佐藤 洋一*

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.684 - 688, 2020/09

J-PARC main ring (MR)速い取り出し運転において、ベータトロンチューンシフトやビーム不安定性を発生させるなど、横方向インピーダンスはビームに強い影響を与える。その見積もりと対策はビーム強度を現在の$$3.3times 10^{13}$$ ppb$$ times$$ $$ 8$$バンチから$$4.4 times 10^{13} $$ppb $$times$$ $$ 8$$バンチとする大強度運転に向けて不可欠である。この研究ではインピーダンス源の特定のための調査を行なった。MRの横方向の主要インピーダンス源は抵抗性壁効果と考えられているが、水平方向には他にキッカー等のインピーダンスがあるため、ここでは他のインピーダンスの寄与が小さいと考えられる垂直方向についてビーム試験を行なった。試験ではマルチバンチビーム不安定性の成長率を、チューンを変えることによりインピーダンスが応答する周波数を変えて測定し、それを抵抗性壁効果の模型と比較することによりインピーダンスを同定することとした。シングルバンチ不安定性の寄与は、バンチ数を変えてバンチ電流を増減させ、かつバンチ内振動の測定を行い確認した。ここでは解析手法やシミュレーションとの比較についても報告する。

論文

長距離ウェーク場を含む不均等蓄積したビームの集団不安定性のIIRフィルターを用いた解析

外山 毅*; 小林 愛音*; 中村 剛*; 菖蒲田 義博

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.689 - 692, 2020/09

J-PARCの様な大強度ビーム加速器では、ビームが発するウェーク場がビームに働き不安定な運動を引き起こす。これがビーム損失の原因の1つとなり、ビーム強度の増強に制限を与える。不安定性の理論的計算のほとんどは、リングに対称に蓄積されたバンチを対象にしているが、J-PARC MRでは9個のRFバケツに対して8個のバンチが不均一に蓄積され、解析が難しくなっている。シミュレーションにおいても、壁抵抗によるウェーク場は長距離で生き残るので計算が簡単ではない。例えば、J-PARC MRでは、壁抵抗のウェーク場は減衰時間1ms(200ターン)程度と積もられている。この様なウェーク場に対して、ビーム振動からキックへの伝達関数をIIR(infinite impulse response)フィルターで近似すると、数ターン前までの履歴情報のみで計算可能となる。それは、壁抵抗ウェーク場が、$$exp(-alpha s)$$の形の重ね合わせで表現でき、線形系を記述するIIR filterで表すことができるためである。この方法は、一般の線形系のウェーク場に適用可能である。ここでは、Rigid bunchモデルの場合の計算法を報告する。

論文

RCSキッカー用半導体スイッチ電源

高柳 智弘; 小野 礼人; 堀野 光喜*; 植野 智晶*; 富樫 智人; 山本 風海; 金正 倫計

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.25 - 28, 2020/09

J-PARCの3GeVシンクロトロン(RCS)キッカー電源を代替する半導体スイッチ電源の開発を進めている。パワー半導体の素子には、現在の主流であるシリコン(Si)製より高周波特性に優れ低損失なシリコンカーバイド(SiC)製の半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を採用し、回路基板の主要な部分は、低ノイズと低インダクタンスを実現した放射対称型のLinear transformer driver(LTD)回路で構成した。また、電源全体は、既存のキッカー電源の機能を有する回路に新たに追加する周回中の大強度ビームの誘導電流低減を目的として反射波吸収回路を1枚のモジュール基板で実装する主回路基板と、フラットトップの時間的一様性を要求仕様に合わせて補正する低電圧出力の補正基板の2種類の組み合わせで構成する。主回路基板は一枚で800V/2kA出力が可能であり、52枚の主回路基板と20枚の補正基板を用いて、RCSキッカー電源に必要な高電圧40kVとフラットトップ平坦度$$pm$$0.2%以下の出力試験に成功した。更に、既設のキッカー電源の実構成を想定した2並列回路による予備試験を実施した。評価結果と今後の展望について報告する。

論文

J-PARCクライストロン高圧電源における電圧ドループの影響解析

不破 康裕; 小野 礼人; 高柳 智弘; 篠崎 信一; 溝端 仁志*; Fang, Z.*

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.780 - 782, 2020/09

J-PARCリニアックではクライストロンを駆動する電源として直流高圧電源を使用している。これらの高圧電源は定格電圧110kVのアノード変調型電源で、1台の直流高圧電源に対して最大で4本のクライストロンを接続して運用している。このように複数のクライストロンを1台の直流高圧電源で駆動しているため、ビームパルス後半において高圧電源のコンデンサバンクの電圧ドループが生じる。この影響でクライストロンの出力低下が起こり、安定なビーム加速を維持する上での課題となっている。また、現有の直流高圧電源の半数はJ-PARC建設当初に導入され、残りの半数はリニアック400MeVアップグレード時に導入されたものであり経年劣化が現れ始めている。今後、経年劣化が生じたコンデンサを部分的あるいは全面的に交換するなどの対策が必要になり、安定運転を維持するためにはコンデンサバンクの構成を変更した際の直流高圧電源の運転挙動を改めて評価する必要がある。本発表では、現状の構成での電圧ドループやそれによる電圧低下がクライストロンに与える影響、及びコンデンサバンクの構成を変更した際の影響を数値計算や実測結果を用いて評価し、今後の安定なビーム運転に必要な対策を議論した。

論文

J-PARC加速器用イグナイトロン代替半導体スイッチの開発

小野 礼人; 高柳 智弘; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 山本 風海; 金正 倫計

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.590 - 593, 2020/09

J-PARCでは、直線型加速器の高周波加速用クライストロン電源のクライストロン短絡保護装置(クローバー装置)に水銀整流器(イグナイトロン)を用いている。イグナイトロンは、世界的に使用が制限されている水銀を使用しており、将来的に製造中止が見込まれる。そこで、大電力半導体素子(MOSゲートサイリスタ)を用いたイグナイトロン代替用半導体スイッチを設計した。クローバー装置に使用するためには、120kV, 40kA, 50usの動作出力が必要である。1枚当たり、3kV, 40kA, 50usの動作出力を実現するオーバル型基板モジュールを製作した。このオーバル型基板モジュール4枚を4直列で接続し、既設機器(120kV, 40kA)の電圧に対して1/10スケール(12kV, 40kA)での動作性能を確認することができた。その出力試験結果について報告する。

論文

負水素イオンビームの電子銃を用いた荷電変換に関する研究

岡部 晃大

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.446 - 448, 2020/09

陽子加速器のさらなる大強度化に向けて、荷電変換入射方式の高度化は重要な研究テーマの一つである。現在、現在稼働中の大強度陽子加速器施設における荷電変換入射方式では、主に荷電変換フォイルを使用している。しかしながら、この手法では、フォイルから生成される中性子や、フォイルによるビーム散乱等に起因する荷電変換フォイル周辺の放射化が問題となっている。この問題を解決するため、世界各地の加速器施設ではレーザー荷電変換等の新たな荷電変換手法が研究されているが、本研究では電子ビームを用いた荷電変換手法に着目し、その基礎実験を進めている。本講演では電子ビームを用いた負水素イオンビームの荷電変換効率測定実験の進捗状況について報告する。

論文

J-PARC RCSにおける機器状態監視システム

高橋 博樹; 澤邊 祐希*; 渡邉 和彦*

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.275 - 279, 2020/09

加速器構成機器の増加および安全・安定な加速器運転維持のために、運転員や研究者が運転時に監視すべきパラメータ(情報量)が年々増加する傾向にある。監視すべき情報が膨大であることは、運転員が全ての機器状態を完全に把握することを困難にするものである。さらには、パラメータの設定ミスなど、運転員のヒューマンエラーにもつながるものである。人員保護システム(PPS)および機器保護システム(MPS)の安全システムが堅固であるため大事に至ったことはないが、J-PARCの安全・安定した運転維持において、このようなヒューマンエラーの発生は憂慮すべきことである。そこで運転支援を目的として、機器状態を監視し、運転員に警報状態を早期に知らせるシステムの設計・制作を2017年より開始した。最初にLinacを対象とし、設定値をベースとして警報状態を検出するシステムを制作した。これをRCSを対象にしたシステムに適用するとともに、新たに通常状態(基準値,固定値)をベースとして、ヒューマンエラー等による警報状態の検出を目的とした機能の設計・制作を進めた。そして、本システムに新たに実装した基準値・固定値をベースとした監視機能が、運転員による設定ミスの検知に有効であることを確認した。本件では、J-PARC RCSにおける機器状態監視システムの現状と今後の計画について述べる。

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